~Imagination~ 想像力からすべては始まります。人は自分の想像し得る以上のことは出来ません。創れません。まずは想像することから始まります。想像力を中心に置き、人、ビジネス、マーケティング、ITについて考えます。
ブランド戦略の難しさ
5月26日の日経流通新聞にブランド戦略の落とし穴の手本というような記事がトップに載っていた。
ナルミヤ・インターナショナルの話だ。
ナルミヤ・インターナショナルはファッション性の高い子供服で十代前半の少女たちの人気を得て急成長した。「エンジェルブルー」は十代前半の少女たちに絶大なる支持を得るブランドであったが、新ブランド「エンジェルブルーキッズ」の発売を機に業績不振に陥った。
業績不振に陥いるまでのストーリーは以下のとおりだ。
ナルミヤはジュニア向けのブランドが売上高の6割を占めていた。
絶大なブランド力を持つ「エンジェルブルー」を利用してさらに低年層の顧客も囲いこもうという戦略にでた。小学生低学年から「エンジェルブルーキッズ」を購買し、年齢が上がり小学生高学年、中学生になれば「エンジェルブルー」にシフトするという訳だ。
この戦略は当初うまく行ったように見えた。狙いどおり小学生低学年の売り上げは増えていった。
しかし、ここでブランドの魔力を見誤っていた。もともとの顧客であった小学生高学年、中学生が離れていったのだ。理由は低学年が着ているような服は子供っぽいと避けるようになったからだ。
元々は自分たちの世代だけが着る事のできるおしゃれな服ということでブランド力が高かったのだが、自分の妹や低学年の女児も着ているような服では魅力がない。ブランドとしての価値が下がってしまったのである。
この事態を受けてナルミヤは「エンジェルブルーキッズ」にシフトしていた生産比率を「エンジェルブルー」と五分五分に戻して高学年生の売り上げを戻そうと試みた。
しかし、これもまた裏目に出た。
一度落ちたブランドはすぐには戻らない。前のイメージを払拭するようなドラスティックな変化でも起こさない限り離れた顧客の興味を引き戻すことは困難である。
生産比率は戻したもののはやり「エンジェルブルー」は以前のようには売れなかった。
しかも悪いことに「エンジェルブルーキッズ」は売れ行きが良いにもかかわらず生産量が減ったために現場では商品が足りないという販売機会ロスを出すことになってしまった。
そして売上高が下がり2006年1月決算期に減収減益となった。
これがナルミヤのブランドストーリーである。
少子高齢化社会を向かえ子供服業界は減少していく顧客をいかにして囲い込みかが課題とされていた。パイ(顧客)が減るなかで増収増益を続けていくためには顧客1人あたりの消費単価を上げなくてはならない。そのなかで子供服のブランドを作り上げ、1995年の分社独立以来増収増益を続けてきたナルミヤはすばらしいと言えよう。
そして、次の一手というところでブランドの落とし穴にはまってしまったというところか。
この状況を打破するためにナルミヤは新たな成長分野を開拓する必要がある。
海外への積極的な展開を視野にいれているようである。
今後のナルミヤの動向には注目したい。
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